第七回 灰汁とは?
「昔の人々は、科学的な根拠や理屈は分からずとも、灰汁が生活を豊かにしてくれているのを知っていたのです。」
■ そもそも灰汁とは?
昔から私たちは生活の中の燃料を薪などの植物に頼っていました。ご飯を炊くときも、煮物を作るときも、暖をとるときも、たばこの葉を乾燥するときも全て薪を燃やしていました。そこには薪が燃え尽きてたくさんの灰ができます。その灰を生活や農業におおいに活用していたのです。
灰からとる灰汁でこんにゃくや麺類作りなどの食品加工、灰で山菜の前処理、種芋の腐敗防止、農地の土壌改良や肥料として活用していました。
昔の人々は、科学的な根拠や理屈は分からずとも、経験上から生活の知恵として、これらの活用を受け継いできたのです。
現代では、これらがほとんど化学物質に取って代わられています。
あらためてこの灰や灰汁についてひも解いてみたいと思います。

■ 灰(はい)とは
そもそも生物は、主に有機物(炭素、水素、酸素、窒素など)と無機物(有機物以外の元素の総称、ミネラル)から構成されています。
これら有機物は、酸素を十分に供給して燃やすと、二酸化炭素や水蒸気などの気体として散逸します。これらの水蒸気を冷やして回収したものが木酢液又は竹酢液です。 植物に含まれる揮発性の有機酸で、主成分は酢酸です。強い酸性(PH2〜3)を示します。
一方、無機物、特に金属元素(カルシウム、カリウムなどの化合物類)は燃やしてもガスにならず、固体として残ります。
通常、無機物(ミネラル)といわれますが、これが灰です。
水に溶けると強いアルカリ性(PH12〜13)を示します。
■ 灰汁(あく)とは
植物の灰を水やお湯に溶かして上澄み液をとります。これを灰汁(あく)といいます。灰に含まれる多くの無機物の中から、水溶性の物質だけが水に溶け出します。主成分は炭酸カリウムや炭酸カルシウム、リン、ナトリウム、マグネシウムなどで、強いアルカリ性を示します。
この強アルカリ性を利用して、食品加工や腐敗防止などに活用されてきたのです。
■ 灰の成分
灰の成分は、木や竹、草などの種類により、それぞれに含まれる量が異なります。(下表参照)

■ 組成のバランス
植物は「無機物」と「有機物」で構成されています。
