薩摩の酒ずし
お寿司の歴史
寿司には、古くから「なれずし」と「はやずし」の2種類があります。
なれずし
なれずし
生なれずし
※いずれも乳酸発酵による酸味があり、独特の臭いがします。
はやずし
箱ずし・押しずし
握りずし

全国の郷土寿司
現在、それぞれの地域で独特に工夫されたお寿司が、郷土の寿司として数多く残っています。
その中でも、お酢を一切使わず、お酒(地酒)でしめる鹿児島の「酒ずし」は非常に珍しいお寿司です。
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灰持酒と薩摩酒ずし
灰持酒(地酒)
灰持酒の醸造方法は、ほぼ日本酒造りと同じですが、
最終過程でもろみに木の灰からとる灰汁を加え、
酸度を調整し、火落菌(乳酸菌)の繁殖を防ぎ、
日持ちさせる手法で造るお酒です。
火入れをしない生酒ですので、
酸素が活きており発酵を促してくれます。
灰持酒は作用により、「酒ずし」のご飯は甘みを増し、
魚介類は旨みとコクを増し、独特の風味と美味さが
同居する具沢山の贅沢なおすしになります。
薩摩酒ずし
火入しない生の灰持酒(地酒)をたっぷり使って発酵させる押しずしの一種です。
もともと武家に残された伝統料理ですが、新鮮な魚介類を探し、山の幸を採取し、
前日から仕込む「酒ずし」は、まさに来る客を思いながら造る、
心づくしの「おもてなし料理」です。

灰持酒と酢を使った薩摩の寿司
薩摩すもじ
「すもじ」とは、室町時代から文書に現れ始めた女房言葉で「寿司」のことです。
鹿児島では、ばらずし・ちらしずしのことを「すもじ」と言います。
「薩摩すもじ」とは、灰持酒を調味に使ったり、ばらずしやちらしずしにかけて食べるものをいいます。

よく「酒ずし」と間違われます。
※【女房言葉(にょうぼうことば)】
宮中に仕える女房(朝廷などに仕えた女性使用人)が使い始めた(現在でも用いられる)隠語的な言葉です。上品な言葉遣いだとされ、主に衣食住に関する事物について用いられています。
語の頭に「お」を付けて丁寧さをあらわしたり、語の最後に「もじ(文字)」を付けて婉曲的に表現します。
薩摩酒ちらし

酢飯を使い、贅沢な魚介類をちりばめます。
いわゆる「ちらしずし」の部類ですが、
灰持酒に浸し、即食で食べることのできるお寿司です。
※基本的に酢飯を使用しますので
「酒ずし」ではありません。

