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薩摩の酒ずし

お寿司の歴史

寿司には、古くから「なれずし」と「はやずし」の2種類があります。

 なれずし

なれずし
古く弥生時代から、魚を保存する方法として、魚にご飯と塩を施し、3ヶ月から1年かけて乳酸発酵させる方法がとられました。長期間の発酵により、ご飯は溶けておかゆ状になり魚だけが食べられました。
生なれずし
室町時代にうまれた生なれずしは、なれずしに比較して漬け込み日数が短く、約2週間から1ヶ月で漬け込みは終了します。ご飯も米粒の姿が残り、この頃から魚と一緒にご飯も食べるようになりました。

※いずれも乳酸発酵による酸味があり、独特の臭いがします。

 はやずし

箱ずし・押しずし
安土桃山時代、早く食べるために乳酸発酵による酸味の変わりに酢酸酢で調味したご飯を使い、1日位漬け込み、魚介類と一緒に食べるようになりました。
握りずし
江戸時代、即食として、新鮮な魚に酢飯を握り合わせて食べるようになりました。
お寿司の歴史


全国の郷土寿司

 現在、それぞれの地域で独特に工夫されたお寿司が、郷土の寿司として数多く残っています。
 その中でも、お酢を一切使わず、お酒(地酒)でしめる鹿児島の「酒ずし」は非常に珍しいお寿司です。

全国の郷土寿司

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灰持酒と薩摩酒ずし

 灰持酒(地酒)

灰持酒

灰持酒の醸造方法は、ほぼ日本酒造りと同じですが、
最終過程でもろみに木の灰からとる灰汁を加え、
酸度を調整し、火落菌(乳酸菌)の繁殖を防ぎ、
日持ちさせる手法で造るお酒です。

火入れをしない生酒ですので、
酸素が活きており発酵を促してくれます。

灰持酒は作用により、「酒ずし」のご飯は甘みを増し、
魚介類は旨みとコクを増し、独特の風味と美味さが
同居する具沢山の贅沢なおすしになります。


 薩摩酒ずし

薩摩「酒ずし」は、郷土の新鮮な魚介類と山の幸を贅沢に使い、
火入しない生の灰持酒(地酒)をたっぷり使って発酵させる押しずしの一種です。
もともと武家に残された伝統料理ですが、新鮮な魚介類を探し、山の幸を採取し、
前日から仕込む「酒ずし」は、まさに来る客を思いながら造る、
心づくしの「おもてなし料理」です。
酒ずし
※ 「酒ずしの作り方」はこちら


灰持酒と酢を使った薩摩の寿司

 薩摩すもじ

「すもじ」とは、室町時代から文書に現れ始めた女房言葉で「寿司」のことです。
鹿児島では、ばらずし・ちらしずしのことを「すもじ」と言います。
「薩摩すもじ」とは、灰持酒を調味に使ったり、ばらずしやちらしずしにかけて食べるものをいいます。

すもじ
※基本的に酢飯を使います。
よく「酒ずし」と間違われます。

※【女房言葉(にょうぼうことば)】
宮中に仕える女房(朝廷などに仕えた女性使用人)が使い始めた(現在でも用いられる)隠語的な言葉です。上品な言葉遣いだとされ、主に衣食住に関する事物について用いられています。
語の頭に「お」を付けて丁寧さをあらわしたり、語の最後に「もじ(文字)」を付けて婉曲的に表現します。


 薩摩酒ちらし

薩摩酒ちらし
最近、鹿児島のお寿司屋さんで復活した料理です。
酢飯を使い、贅沢な魚介類をちりばめます。
いわゆる「ちらしずし」の部類ですが、
灰持酒に浸し、即食で食べることのできるお寿司です。

※基本的に酢飯を使用しますので
「酒ずし」ではありません。